「こんなところでも税金を取られるのかぁ・・」というのはよくある話ですが、
ここでは「そうだよね、そこは見逃してほしいよね」という話です。
過去、私が仲介した売主さんで、この税制を利用した方がいらっしゃいます。
「どう考えても借金を返済できない場合、どうしたら良いのか?」
不動産仲介業に携わっていますと、そのようなケースに出会う機会が少なくありません
自己所有不動産があれば、その不動産を売却して返済に充てることができるかもしれません
自己所有不動産の売却により借入金を返済する・・ これはよくある話です。
しかし、預貯金もなく、自己所有不動産もない・・ しかし大きな借入金がある・・
そんなケースも実際にはあるのです。
例えば、親の了解のもと、親が所有する不動産を担保にして借金したようなケース
あと、オーナー社長が会社の借入金のために社長個人所有の不動産を担保にしたようなケース
このような親族・自社のための不動産担保提供はよくあるケースです
このようなケースで、「借金をした本人」が借入金を返済できず、
「担保提供者」が担保物件を売却するなどして、
「借金した本人に代わって第三者が返済する」ことを「代位弁済」といいます。
本来、不動産を売却しますと、例えば、昔、2000万円で取得した土地が、
売却時には値上がっていて5000万円になっていた場合、かなりザックリですが、
その差額3000万円に税率20%を乗じた600万円の「譲渡税」がかかります。
ここで担保提供者(Bさん)の思考ですが・・
「Aのために担保提供していた自分の土地をAの借金返済のため売却した。
時価5000万円の土地を売却して、5000万円全額をAの借入金返済に充てた。
その上、更に600万円の譲渡税を私が払うのか?踏んだり蹴ったりじゃないか!」
という感じになりますでしょうか・・
このような場合、現在の税制としては、代位弁済による譲渡税減免があります。
ただし、本来は譲渡税を納めるべきところの「減免」ですので、大事な要件があります。
それは、本来返済しなければならなかった人(ここではA)が、
「将来に渡り、返済能力がないと判断されること」
という要件が、税務署に認められる必要があります。
税制は、あくまでも、
「これから将来、Aがしっかりと働いて、借金の肩代わりをしたBさんにお金を返せば良いことでしょう」
「将来的にAに返済能力があるのであれば、代位弁済によるBさんの譲渡税減免は必要ないでしょう」
というスタンスです。
「Aが法人であって、Aが破産 ⇒ 将来的にAには返済能力がない」
「Aは個人であるが、70歳で再就職が厳しい ⇒ 将来的にAには返済能力がない」
このような場合に限り、「代位弁済による譲渡税減免」が認められます。
※詳細は必ず「税務署」や「税理士」へご確認ください