遺言書 V.S. 遺産分割協議書

本ブログは弁護士マターのお話ですが、㈱JRSが売却依頼された物件が、

「遺言書 v.s. 遺産分割協議書」

というバタバタを経て、遺産分割された相続物件でした。

私自身とても勉強になったので、本ブログに書き留めておきます。

お父様が3名の子供に対して作成した「遺言書」がありました。

お父様は信託銀行に「遺言信託」していたので、信託銀行が遺言執行人になりました。

遺言執行人(信託銀行)から相続人3名に対して、遺言書の通りに遺産分割するよう指示が出ました。

しかし、相続人3名は、全員が納得する遺産分割を希望しました。

 

さて、この場合、相続人3名が「遺産分割協議書」を作成すれば、

お父様が生前に作成した「遺言書」の内容とは異なった遺産分割ができるのでしょうか?

被相続人の意思に従わず、相続人が自分たちで遺産分割方法を勝手に決めて良いのか?

という問題が発生しました。

 

「遺言書」が優先されるのか? はたまた「遺産分割協議書」が優先されのか?

 

いまの私は次のように理解しています。

※本件に真剣に向き合う方、必ず弁護士など法律の専門家にお尋ねくださいねっ!

 

1.遺言執行人が定められていない場合

 遺産分割協議書の作成により遺産分割が可能

2.遺言執行人が定められている場合

 原則、民法1013条により、遺言執行人の指示に従い遺言書通りに遺産分割すべきである。

 しかし、法定相続人以外への遺贈などが遺言書にない場合、遺言執行人は相続人の主張を尊重し、相続人全員が合意する遺産分割協議書による遺産分割に協力すべきである

 

上記2.の内容はいささかスパッとした内容ではありませんが、遺言書においてすべての相続財産が法定相続人に相続される場合で、かつ、法定相続人全員が合意する分割方法がある場合、「それでも遺言書に従うべきだ!」という遺言執行人の主張は、どこか権限の乱用のような気がします。

 

遺言信託された信託銀行としては、信託銀行としての今後の業務に都合の良い遺言書になっているかもしれませんが、信託銀行という着物を脱いだ「遺言執行人」という立場としては、相続人全員が納得するスムーズな遺産分割へと舵を切るべきではないかと思うのです。