実例:「宅配弁当」で「安否確認」

弊社は基本的に不動産の管理業務はしておりません。

ですが、例外的に管理しているマンションが2住戸あります。

2住戸とも同じ所有者ですが、1住戸は賃貸中。

賃料の入出金管理と設備故障への対応をしております。

もう1住戸は所有者のお母さま(ほぼ90歳)が住んでいます。

所有者のご家族は海外在住なので、お母さまは一人住まいです。

 

賃貸している1住戸から得られる賃料を、生活費として定期的にお母さま

の口座へ送金したり、お母さまへ毎日宅配されるお弁当代や、ヘルパーさん

への毎月の支払いも、請求書を確認して弊社から送金しています。

 

お母様は英語は達者ですが、逆に日本語の文章を読むのが苦手なので、

行政や介護系、あるいはインフラ機関とのやりとりで困ることが多く、

必要に応じて手続きを補助しています。

  

そんなお母さまを見守っているケアマネージャーさんから電話が入りました。

「今、地域包括センターの〇〇さんと一緒にいるのですが・・」

「お母さまが丸2日間、宅配弁当に手をつけていません」

「警察を呼んで中に入りたいのですが許可していただけますか?」

 

確かに過去、何かが気に入らず、ヘルパーさんを受け入れないことが何度か

ありましたが、宅配弁当を食べないまま放置したことは一度もありませんでした。

今回ばかりは私にも緊張が走りました。

 

ご家族は日本と18時間ほど時差のある海外ですが、何とか連絡をとり、

警察への連絡と室内突入の許可をいただき、私も急ぎ現地へ向かいました。

 

現地に着きますと、10名以上の消防隊員と2名の警察官があわただしく

動いていましたが、お母さまの存命が確認されていました。

恐らく2日間以上、寝室から動けない状態だったようで、衰弱している

と判断され、担架で救急車に乗せられ、病院へ運ばれました。

 

担架で運ばれる途中、いつものお茶目な目で私に手を振ってくれたので、

意識はしっかりしているようでした。

 

近くに身寄りもいないということで私が追っかけ病院に行くことになり

ましたが、造影剤を使用する判断などは、やはり身内の方でなければなら

ないようで、海外のご家族の電話番号を医師に教え、あとは医師にお任せ

することで病院を後にしました。

 

お母さまは「宅配弁当」による「安否確認」で助かったと思っています。

「お母さまには、是非、宅配弁当をとっていただきたい!」

強く勧めてくれた地域包括センターの〇〇さんのお陰です。