最初の相談先は、不動産に詳しい知人
「やっぱり大手が安心だよね~」
という声は、いつの時代も変わらないと思います。
でも、第一歩目の相談相手が大手不動産会社ではない人もたくさんいらっしゃいます。
特に、身近に不動産に詳しい人が存在する方の場合に多いと思います。
身近に存在する相手の方が、どんな大手の営業マンよりも、安心して相談できるからでしょう。
身近に存在する人であれば、その人が信頼できる人物かどうかもわかっていますし、
「まずもって、私は何をすれば良いのか? そんな事もわからないのだが・・」
という素直な気持ちを打ち明けられることも、身近にいる相談相手の利点ですね。
「不動産のことは全くよくわからない」
そう口にする方は本当に多いですね。
そして、次に続く言葉としては、
「だから、恐らく自分は騙されるだろうし、騙されたってわからないと思う」
です。
相談相手が大手かどうか・・という話よりも前に、
「不動産屋に騙されること」
に対する心配の方が圧倒的に大きいのが実情なような気がしています。
ですから、身近で信頼できる人の中に不動産に詳しい人がいた場合、まずはその知人に相談するのだと思います。
身近な相談相手の指針はどうあるべきか?
①身近な相談相手が不動産業者ではない場合
相談を受けた方が不動産業者ではない場合は、相談内容を十分に理解された上で、信頼できる不動産業者を紹介してあげるのが良いでしょう。
いくら不動産に詳しいからと言っても、宅地建物取引業免許を持っていないのであれば、信頼できる不動産業者を紹介してあげるのが一番の指針だと思います。
②身近な相談相手が不動産業者の場合
相談を受けた方が不動産業者である場合、大きく分けて2つの選択肢を選ぶことになります。
(A)すべて自分(自社)で完結しようと考える
(B)自分(自社)ではやらず、信頼できる他者(他社)に相談者を紹介(引き継ぎ)する
相談内容の状況に応じて、躊躇なく(B)を選択できる不動産業者は、真っ当な業者だと思います。
自分(自社)の利益よりも、「相談者の利益」を第一に考えているからです。
よく「顧客第一主義」という標語を耳にしますが、お客様の利益を第一に考え、他社へお客様を紹介(引き継ぐ)することって、実際には中々できることではありません。
大手仲介業者への引き継ぎ
本ブログ内 「かかりつけ医」のように弊社JRSをご利用ください にも記載しましたが、
私は何もかも自分一人でやろうとは思っていません。
相談内容をしっかりと確認し、私がやった方が相談者にとってベストと思えばやりますが、
大手仲介業者に任せた方が良い場合は、大手仲介業者へ相談者を紹介しています。
これまでの経験上、安心して任せられる、信頼できる大手仲介業者を紹介しています。
そして、案件が完了するまで、相談者側の立ち位置で、大手仲介業者の仕事をチェックします。
私の存在が、大手仲介の担当者にとっては「お目付け役」のような感じになりますので、
相談者にとっては、安心度が増す状態で大手仲介業者に依頼できる状態になります。
同様に、
税理士や弁護士など、専門家へ相談すべき案件であると判断した場合は、
不動産案件に強い税理士・弁護士を紹介し、相談者に同行して相談に行きます。
決してすべての税理士・弁護士が不動産案件に強いわけではありませんので、
長年のお付き合いで信頼している税理士・弁護士を紹介し、最終的に問題が解決するまで、
ずっと相談者と税理士・弁護士の間に立って、不動産関連の助言を継続します。
大手仲介業者に引き継いだ例
①築年が古くない区分所有マンションの売却 (複数例あり)
自己居住用のマンションの売買仲介は、仲介営業マンが最も慣れている仕事です。
新人営業マンが物件担当になったとしても、トラブルになることはまずないと思って良いでしょう。
最近では売却物件のネット掲載による集客が期待できますが、SUUMOやHOME'Sへの物件掲載は〇万円/月かかるため、費用対効果の観点から掲載頻度が限られたりします。
しかし、自社HPへの物件掲載であれば掲載頻度は無制限です。
となれば、PV(ページビュー)が圧倒的に多い大手のサイトの方が、買主の目に留まる確率は高くなります。
大手に売却を依頼すると、売却前の不具合点検やルームクリーニングなど、色々なサービスを受けられることが多いです。
買主が住宅ローンを利用する場合、大手仲介と金融機関の提携関係により、ローン事前審査が数日で完了することができ、早い段階で資金繰りのしっかりした買主を見つけることができます。
店舗数が多く、引継ぎ先として売却物件に近い店舗を選ぶことにより、こまめな営業が期待できます。
注意する点としては、ちょくちょく耳にする「物件の囲い込み」です。
売主と買主の両方から仲介手数料を得ようとし、他社仲介業者による物件案内をもっともらしい理由で断ったり、安易にマンション買取業者に安い価格で売却しようとしたり・・、このあたりをしっかりとチェックする人間(紹介元)の存在は必須です。
早期に客付けできるよう故意に安い価格で査定されてしまうことへのチェックも必要です。
②遠方にある複数の物件を、ほぼ同時期に売却しなければならない場合
売主の諸事情により、同一年度内に複数の物件を売却しなければならないケースがあります。
売却損が出る物件と、売却益が出る物件は、同一年度内に売却することで損益通算できます。
最近の実例としては、「23区内」「都下」「四国」「九州」に存在する4物件を同一年度内に売却しなければならないケースがありました。
売却スケジュール全体の歩調を合わせるため、本来は1社かつ1営業マンがすべての売却仲介をするのが理想ですが、ここまで物件所在が離れていると、ほぼ不可能です。
三井・住友・東急・野村など、全国的にも大手と呼ばれる仲介会社であっても、九州と四国の複数県に支店を置く仲介会社は存在しません。
特に四国に関して言えば、前記4社は支店の存在が全くありません。
この案件については、九州と四国の物件所在県に支店のある、中堅不動産会社(以下A社)に案件を引き継ぎました。
過去、A社の代表者と難しい不動産案件を完結した経緯があり、私自身がこの代表者を信頼していたことも大きな要因でした。
23区内の物件は大きな売却益が発生、他の3物件では大きな売却損が発生する見込みでした。
売却損が発生する3物件は、売却代金だけでは抵当権が抹消できず(返済金が足りず)、売却益の出る物件の売却代金をその返済に充当しなければならない状態でした。
そのような状況において、同一年度内に売却を完了できないと、損益通算できなかった売却益による多額の譲渡税が発生することになり、多額の譲渡税が発生してしまうと、3物件の返済金が更に不足するという事態になります。
そのような状況下、23区内の物件を弊社が、それ以外の3物件をA社が担当し、1月~9月の9か月で4物件の売却を完了させることができました。