初めての「成年後見人・申請」その1

タイトルを『初めての「成年後見人・申請」』としましたが、

不動産の売買と同様、一生に何度も申請するものではないかもしれません。

本ブログは、成年後見人を申請するに至った一例として、同じような境遇の方へ

ご参考になれば幸いです。

 

注意すべき状況 「預金の引き出し・買い物 を身内以外の人間に頼んでいる」

既に配偶者は他界しており、子供など身内は遠方に住んでいる。

そのため、心身ともに健康状態だった頃から、お金の管理は自分でしてきた。

加齢に伴い、自分の足で金融機関へ行き、現金をおろすことが億劫・困難になる。

ちょっとした買い物など、ヘルパーよりも頼みやすい人が身近に存在する。

 

危険な兆候① 「お金が何に使われたか、気にしていない」

2週間前に確認していた手元現金20万円がほとんどなくなっている。

「何に使ったの?」と本人に聞くと・・

「私はお金のことはわからない。〇〇さんに聞いてくれ」という回答。

「〇〇さん、何に使ったんですか?」と〇〇さんに聞くと・・

「私はお金のことはわかりません。どうしてなくなったんでしょう?」という回答。

身内としては「〇〇さんの確信犯」としか思えない状況

 

対応措置① 「すべての通帳・キャッシュカード・印鑑を身内が管理する」

すべての通帳・キャッシュカード・印鑑を身内の手元に置く。

生活資金を引き出す口座として「1口座」だけ、通帳とキャッシュカードを渡しておく。

その口座に、定期的に「月額〇〇万円」を身内から送金し、その範囲で生活してもらう。

何らかの理由で生活資金が不足する場合は、その理由を聞いて追加送金する。

 

危険な兆候② 「勝手に、通帳・キャッシュカードを再発行される」

郵便局本局から「通帳再発行の申請をされましたか?」という確認通知が届く。

身内が郵便局に問い合わせると、〇〇さんが何度も郵便局に来て、通帳再発行の手続き

に関して相談を受け、通帳再発行の手順を説明していたことが判明。

しかし、時すでに遅く、本人の手元には新しい通帳とキャッシュカードが届いていた。

郵便局と電話でやりとりしている最中、〇〇さんが新通帳を持って郵便局に現れた。

〇〇さん 「この定期預金を解約して現金を引き出したい」

郵便局員 「本人ではないので受理できません」 と断る。

 

その後、〇〇さんが本人を連れて郵便局に現れたが、郵便局員が本人だけ別室に誘い、

「本当に定期預金を解約したいのですか?」と再確認したところ、

「別に私はお金に困っているわけではない!」と半ば憤慨、定期を解約することなく帰る。

 

対応措置② 「各金融機関へ注意喚起」

いくら通帳・印鑑・キャッシュカードを取り上げて身内が管理したとしても、

本人から通帳再発行を申請されてしまえば、もうどうしようもありません。

再発行された新通帳を取り上げたとしても、堂々巡りです。

「これはもう・・、成年後見人に金融資産を管理してもらうしかないか・・」

身内としてはそんな思いになります。

 

ただ、後見人の申請準備を始めて受理されるまで、少なくとも1か月以上かかります。

しかも、申請したところで、後見人申請が認められるかどうかの保証はありません。

そこで、各金融機関に電話や訪問をして現状を説明し、もし本人が窓口に来て通帳の

再発行などを申請してきた場合、本当に本人の意思で行われているかどうか、しっかり

とした確認をしていただくこと、改めて身内を連れて来るよう諭していただくことを

お願いし、併せて、本人が窓口に来た時点で、速やかに身内に連絡してもらえるよう、

強くお願いしておくことが重要です。

 

「それは大変ですね、最大限のご協力をいたします」

と言ってくれる金融機関が多いと思いますが、証券会社などは、

「本人がご来店され、〇〇株を売ってほしいと言われれば対応せざるを得ません」

という対応をされることもあると思います。

 

後見人申請をする

後見人申請は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に提出することになります。

この申請の正式名は「後見開始の審判申立」というようです。

後見人申請が受理されますと、申請人(通常は身内が申請します)のもとに、

下記内容の「審判」という書面が届きます。

 

本件について、当裁判所は、その申立てを相当と認め、次のとおり審判する。

           主    文

1 本人について後見を開始する。

2 本人の成年後見人としと次の者を選任する。

   住所 xxxxxxxxxxxxxxxxx

   氏名 〇〇〇〇

3 ・・・・・・

 

後見人申請が希望通り受理されるためには、とても重要な書類があります。

 

「診断書」(成年後見制度用)

「本人情報シート」(成年後見制度用)

 

この2つの書類の「記載内容」によって、申請が受理されるかどうかが決まる・・

そう思っていただいて良いと思います。

このあたりは日を改めてブログにUPしたいと思います。